田麩・DENBUの魅力                             
ほのぼのとした甘い香りを運んでくれる桜でんぶ、落着いた健康的な味を知らせてくれる黄でんぶ、希少価値のある芸術でんぶ、これからも多くの人たちに親しまれて行く日本の誇るべき伝承食品です。このページでは「日本の風味・でんぶ」について少しお話しましょう。
魚介類の身をもみほごして、調味加工したものを田麩(でんぶ)言います。
 桜でんぶ、黄でんぶ、鯛でんぶ、などは良く知られています。それに散らし寿司の桜色のオボロは四季を通して食欲をそそります。材料の魚介にはエビやカニ、ホタテなども使用しますが、多くはタラ、タイ、イシモチ、ヒラメなど白身の魚やカツオ、サバ、ブリ、サワラなどの肉でつくります。タイやヒラメ、エビなどを素材として魚肉を焦さないように焼いてほぐすとい贅沢な味覚もありますが、大変に難しい料理技だと思います。普通は蒸すか、茹でるかしたものを小骨を取りながら布巾に包みほぐした身の目方の7%程度の砂糖、1%の塩、食用紅少々を蒸し汁または茹で汁といた調味液を入れて、よくかきまぜながら湯煎をしてつくります。このようにして出来たエビソボロ、タイソボロ、ヒラメソボロは少量賞味向きです。
でんぶの旨味
 一般的に多くの原料は鱈を使います。タラの身は脂肪が少なく100g中0.4g程度ですが、眼病予防などにによいビタミンAが豊富です。
素材としてのタラは、原魚一次加工処理によって生ダラ、干ダラ、塩ダラ、冷凍ダラとします。型や干し方によって棒ダラ、開きダラ、掛けダラ、すき身ダラとなります。生炊きでんぶには、生ダラ、冷凍ダラをよく使います。その製造方法を簡単に説明しましょう。
 第一工程としてソボロの製法ですが、これには1・・茹でる(大量生産に適しています)、2・・蒸し篭で蒸す方法、3・・焙る方法(大量処理には適しません)等の方法があります。いずれかの工程を経た身の小骨、皮などを丹念に除きます。2の工程の場合は水でさらして脂肪を取り去り、圧搾して水分を除いたのちに肉を砕きよく揉み解して繊維状にします。●冷凍の場合は解凍⇒魚肉取り機で小骨、大骨を丁寧に取ります⇒沸騰するまで釜でボイル、塩出しをします⇒攪拌機で身をほごします。
 第二工程では、調味料(一般的に水飴、砂糖、醤油を主としてそれぞれの作り手の塩梅があります)を用意します。生ソボロをを釜に入れ、よく攪拌しながら煎りつけます。同じ釜で大量に何度もつくる時は、釜の温度と時間のコントロールが製品に影響します。炊き上げたものを素早く冷風台に広げて、固まらないように揉みほごしして出来上がりです。この間の微妙な技によって出来具合が左右されます。
 田麩は、生魚のほかに塩ダラ、棒ダラ、塩さけを使うこともあります。また乾燥ソボロからもつくります。桜でんぶなどの場合は、白醤油を使うことがあります。安定した需要を持つ田麩の生産工程は、かなり合理的な機械が使われていますが、良質な製品に仕上げるには、原料の良否の選別が基本ですが、その後は原料の肉質状況を判断しながら各工程で、素早く処理する技によって生産者それぞれの持味のあるものが出来上がるのです。
私の知る名人会社には、東京の(有)協立の武藤さんや同じく勝木食品工業鰍フ勝木さん、千葉の叶m徳の白井さんなど皆個性の有る美味しい田麩をつくっています。
武田平八郎
 
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