食品加工と微生物
東京水産大学-No.76- 食品生産学科教授 藤井建夫
日本食品新聞連載中の一部 |
最近の管理栄養士国家試験問題から |
管理栄養士国家試験には毎年150題の選択肢問題が出されているが、そのうち5問は 食品衛生に関する問題であり、その他に食品加工学の関係でも微生物の問題が出され ることがある。これらの問題の中にはこれまで述べてきた食品の微生物制御に関する 出題も多い。ここで問われるレベルの知識は食品加工現場の責任者や技術者にも求め られるので、今回は復習も兼ねて、そのうち比較的最近の問題をみてみたい。 なお、この連載記事のうち、HACCPと微生物制御に関する部分は「微生物制御の基礎知識」 として中央法規出版から刊行されているので参考にされたい。 |
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HACCPに関する問題 【問題】HACCPによる衛生管理システムについての記述である。正しいのはどれか。 【1】HACCPとは危害分析重要管理点の頭文字である。 【2】わが国ではすべての食品製造工場で、このシステム導入が義務づけられている。 【3】HACCPは微生物による危害防止のみに適用できる。 【4】本システムを導入した食品工場では製品のすべてを検査しなくてはならない。 【5】本システムを導入すれば安全性確認の記録は不要である。 |
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-No.77- 最近の管理栄養士国家試験問題から(2) |
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微生物とその増殖に関する問題
(1)abのみ、(2)acdのみ、(3)bcのみ、(4)dのみ、(5)a〜dのすべて【問題】微生物の増殖に関する記述である。正しいものの組合せはどれか。 a 微生物の増殖はpHによって影響を受ける。酵母やカビの増殖に最適なpHは5.0〜6.0である。 b 腸炎ビブリオは水中微生物であり、夏季(7〜9月)には淡水中で活発に増殖する。 c 中温微生物とは、その発育最適温度が25〜40℃の中温域にある微生物をいい、ネズミチフス菌や 腸管出血性大腸菌が含まれる。 d 食品を氷結晶生成帯(−1〜−5℃)以下に凍結すれば、微生物の増殖は抑制される が、死滅するとは限らない。 |
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同じ年に類似の問題がもう1題出題されている。
【問題】微生物およびその増殖に関する記述である。正しいものの組合せはどれか。 a 微生物の増殖に必要な水分量を水分活性(Aw)で表す。食品中に存在する水分の総量が多けれ ば水分活性の値は1.0に近づく。 b 細菌は分裂によって増殖する。世代時間とは分裂から分裂までの時間をいい増殖が速いか遅いか の指標になるので、食品衛生対策の上で重要である。 c 枯草菌は好気性菌、病原大腸菌は通性嫌気性菌、ボツリヌス菌は偏性嫌気性菌に属する。 d 細菌の増殖曲線のうち、定常期(静止期ともいう)とは、分裂に要する世代時間が一定で、細胞数 が指数的に増加する時期をいう。 (1)aとb、(2)aとc、(3)bとc、(4)bとd、(5)cとd |
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食中毒細菌に関する問題 【問題】食中毒細菌の性状についての記述である。正しいものの組合せはどれか。
a 黄色ブドウ球菌はエンテロトキシンを産生する。 b サルモネラの至適発育食塩濃度は3%である。 c カンピロバクターは微好気的条件でよく発育する。 d ウエルシュ菌は芽胞形成の好気性菌である。 e エルシニア菌は20℃では増殖することができない。 (1)aとb, (2)aとc, (3)bとd, (4)cとd, (5)dとe. |