近年、赤ワインが動脈硬化予防に効果があなどといった研究が注目を集めている。
これまでの研究に拠れば、赤ワインにはポリフェノールという成分が、豊富に含まれており、
このポリフェノール類は、強い抗酸化活性を示し、これらの成分が体内に吸収されて、抗酸化
作用を発揮するものと考えられるとこまで分かっていた。
しかし体内に吸収されて、どのようなメカニズムで抗酸化作用を発揮するのかについては明ら
かにされていなかつた。
今回、摂南大学薬学部(山下伸二助教授)とサントリー褐注N科学研究所は、赤ワインの
ポリフェノール成分の抗酸化作用のメカニズムについて体内動態という側面から明らかにした。
研究の結果は、赤ワイン中のカンテキ類は、腸管から吸収され肝臓でグルクロン酸抱合体に代謝
された後、血液中に移行して抗酸化作用を発揮することが明らかになった。
また赤ワイン中に豊富に含まれる酒石酸には、カンテキの生体内利用率を高めるという作用があ
ることが明らかになった。
この研究の背景としては、高齢化社会を迎え、今後は生活習慣病対策がますます重要となると
思われる。中でも「人間は血管と共に老いる」と言われように、動脈硬化に起因する疾患は数多
く、その予防が重要性を増してきている。ちなみに、現在日本人の死亡原因は、1位・癌、2位・
心臓病、3位・脳卒中で、2、3位を合わせると動脈硬化性疾患が死因の1位を占めている。
赤ワインが特によく飲まれる南フランスでは、他の欧米諸国と同様に、脂肪摂取量が多いにも
かかわらず、虚血性心疾患の患者が際だって少なくなっている。この一見矛盾ともいえる事実が
専門家の注目を集め、「フレンチパラドックス」と呼ばれている。また、こうした現象の原因を
解明しようという研究は、いくつかの欧米グループを中心にすすめられていることによる。
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